小さな主人と二人の従者

　目の前の店は食器屋でガラス貼りになっているため、店内の様子が外から見ることができる。
　ここへ向かった理由はミラベルにスープカップを贈るため。実は三日前にお気に入りのスープカップをうっかり落としてしまい、壊れてしまったので、代わりのスープカップを買うことにした。置いてある商品はどれもシンプルで可愛らしかった。

「今、使っている食器には飽きたの？ジュリア嬢」
「そうじゃないの。ミラベルにプレゼントしたくて」
「ああ、それでか。ジュリア嬢、自分のは？」
「このプレートがちょっと気になる」

　クリーム色のナチュラルなデザインになっていて、普段から多用途に使うことができる上に華やかな演出ができるプレート。

「こういうものは楽しむことができるよね」
「たくさん料理を入れることができるから、見た目が色鮮やかになるよね」

　しばらく考えた末、ジュリアは買うことに決めた。

「ギャレット、買うから少し待っていて」
「それなら、じゃんけんで決めよう。はい、じゃんけん、ポン！」