小さな主人と二人の従者
　店内を移動すると、ギャレットが足を止めた。
そこにはリラックスグッズが揃えてあって、ジュリアはその中にある正方形の袋のフレグランスサシェに鼻を近づけた。
　ちなみにフレグランスサシェはクローゼットや机の引き出し、鞄の中に入れておくことが最適。

「いい香り・・・・・・」
「本当？」

　ギャレットがジュリアに鼻を近づけて、香りを確かめようとする。

「こっちを嗅ぎなよ」
「ジュリア嬢が甘い香りで誘うから」
「誘っていない・・・・・・」

　色気を振りまくギャレットに他の女性客の視線が痛かった。ジュリアがいなかったら、絶対に彼女達に囲まれていただろう。

「それにしても、久々。リラックスグッズ」
「そうなの？てっきりミラベルちゃんや他の子達とこういう店に行っているのかと思ったよ」

　いつ、どこで、何をするか、事前にギャレットとケネスに伝えている。ただ、カーシーと一緒にいることだけは未だに秘密にしている。

「ミラベルとアロマキャンドルの店に行ったのは随分前になるから」

　二回遊びに行ったのに、どっちもあまりゆっくりと過ごすことができなかった。
< 212 / 269 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop