小さな主人と二人の従者
 着いた店はレストランだったが、とても学校へ通う者が行くような場所ではなかった。
 そこはまるでホテルのような上質感を感じさせるレストランだった。店の外にメニューが置かれているので開くと、コース料理がたくさん書かれていて、値段もジュリアが外食する店の値段の数倍高かった。お子様にも楽しんでいただけるようにキッズメニューもあったが、料理の写真を見ると、子どもには贅沢な料理だった。
 扉に手をかけようとしたギャレットにしがみついて動けないようにした。

「ここはだめ」
「お腹が空いたよ」
「やっぱり私が店を選ぶ!一緒に来て!」

 逃げるように走って、ジュリアが向かった先は以前にミラベルと行ったカフェレストランだった。

「他にも飲食店がたくさんあるのに、見向きもしなかったね」
「ここの料理は美味しいよ?」

 メニューを先にギャレットに渡そうとすると、ギャレットは広げてジュリアにも見えるようにしてくれた。

「ジュリア嬢、ここには何回も来たことがあるの?」
「ううん、一回だけだよ」

 ギャレットとジュリアは近くを通りかかった店員を呼び止めて注文した。
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