小さな主人と二人の従者
　ギャレットがくまのケーキを自分のところへ持って行こうとするので、ジュリアは慌てて阻止した。

「駄目！私のくまちゃん！」

　それを聞いたギャレットとケネスは大笑いしている。

「二人揃って、何を笑っているのよ！」

　ジュリアが怒っていても、二人は笑い続けている。

「だって、かなり、焦っていたから・・・・・・」
「くくっ、写真でも撮っておくべきだったな」

　カメラがなくて良かったとジュリアだけ思っていた。気を取り直してケーキを食べることにしたジュリアだったが、さっきのギャレットの発言が耳に残っていて、思うようにフォークが突き刺せなかった。

「んー？ジュリア嬢、どうかした？」
「どうもしない！」

　ギャレットの笑顔が腹立たしく、ケーキを口に入れた。甘過ぎず、優しい甘さに仕上げていたケーキだった。ジュリアが気に入ったことがわかったので、ギャレットはまた今度買いに行くことを決めた。
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