小さな主人と二人の従者
 ケネスの話をまとめると、ウィルとエリーの幸せを壊して、ウィルを意のままに操ることに成功した魔女は自分の邪魔をしてくるケネスを始末しようとした。対戦して、ケネスは魔女にとどめを刺そうとしたときに魔女に召喚されていた大型魔獣の攻撃を受けてしまった。魔女の嘲笑う声が遠ざかっていくので死を覚悟していると、誰かの足音が近づいてきた。
 恐らくそのときに吸血鬼にされたのだ。

「その吸血鬼・・・・・・」

 思い浮かべたのはただ一人ーーギャレットだった。

「俺もそう思うな。次に目が覚めたときに俺は学校の談話室で寝ていたんだ。どうしてそこにいたのかわからなかった。そのときにはすでに記憶がなくなっていて、喉の渇きが激しくて外で適当に餌になりそうな奴らの血を吸っていた」
「そのときのケネスは自分は最初から吸血鬼だと思っていたんだね」
「そうだな。それからしばらくして、ギャレットと出会って、ジュリアとも出会った」
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