小さな主人と二人の従者
兄妹
「ジュリア、ジュリア、起きて!寝坊は良くないかな」
「ギャレット、もう少し寝かせて」
「ギャレットとケネスが部屋に来ているかな」

 モナが布団を剥ぎ取ろうとしたので、ジュリアは布団にしがみついたままベッドから転げ落ちたときに扉を開ける音がした。

「大きいベッドなのに、落ちちゃうなんて・・・・・・」
「しょうがないな」

 ジュリアは浮いた感覚で目が覚めると、ギャレットが抱っこしていた。ジュリアが暴れると、ベッドの上に落とされて顔を上げた。
 部屋が高価な雰囲気を漂わせていて、布団を捲ったり、枕を横に転がすが、ジュリアが求めているものが見つからない。

「ジュリアちゃん、ここは家じゃないよ?くまのぬいぐるみはないよ?」
「そういうことか。いつも可愛がっている奴だな」

 ジュリアは起きて、顔を洗いに行った。それでも眠気は完全になくならず、覚束ない足でモナ達のところへ戻ると、みんなすでに着替えていた。いや、ジュリアが目覚めたときから着替えていたのだ。まだパジャマなのはジュリアだけ。
 昨日はずっと戦い続けて服が破けたり、怪我を負って、服が手で汚れたから、ウィルが自分の服をギャレットとケネスに譲った。モナとジュリアは体型がほぼ同じなので、早起きしたモナがジュリアの新しい服を家から用意してきた。
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