小さな主人と二人の従者
「ジュリアは着替えるから、二人は部屋から出てもらえるかな?」
「ちゃんと目を瞑っているから、ここにいさせてよ。モナちゃん」
「それは無理な相談かな。ケネス、ギャレットをお願いしてもいいかな?着替えたら呼ぶから」
「もちろんだ」

 ケネスはギャレットの首根っこを掴んで、部屋の外へ出た。ギャレットは苦しさに文句を言っていたが、ケネスは気にしていなかった。
 二人を早く中に入れるためにジュリアはいつもよりスピードを上げて着替えを済ませた。二人を中に入れた瞬間、ギャレットが雪崩のように入ってきて、ジュリアを抱きしめた。ケネスがギャレットを引き剥がそうとするものの、ジュリアを抱いて宙に浮いている。
 ジュリア達がウィルとエリーのところへ行くと、朝食がテーブルの上に並べられていた。

「遅いよ、何をしていたの?」
「ごめん、ウィルお兄ちゃん。ちょっと時間がかかって・・・・・・」
「朝食ができてからそんなに時間が経っていないわ。食べましょう」

 ジュリアは朝食後にケネスと二人で話がしたかったので、モナにギャレットが来ないように邪魔をするように頼んでおいた。
 話があることをケネスに伝えて、ジュリアはバラ園まで連れて行った。
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