小さな主人と二人の従者
 ケイティとルースは子ども達に手を引っ張られながら、行ってしまった。
 空族のケイティは子どもによく虹を見せたり、一緒に空を飛んで子どもと楽しんでいる。獣属のルースは変身術が得意で子どもが喜ぶものに変身したり、動物が何を言っているのか、理解することができるので、子どもにとって、二人は憧れの存在。

「ジュリア、ちょっと百貨店へ行ってもいいかしら?今日は祭だから、百貨店限定の商品があるみたいだから見てみたいの」
「いいね。行こう」

 ジュリアは空になったカステラの袋を小さく丸めてゴミ箱へ捨て、ミラベルと百貨店へ行った。売り場に向かうと、ジュリア好みのぬいぐるみが飾ってある。抱いてみると、フワフワとしていて、抱き心地が良い。
 ミラベルは笑顔でぬいぐるみを抱いているジュリアを優しい眼差しで見つめている。ジュリアが値段を確認すると、高かったので、ジュリアは陳列棚に戻した。

「気に入っていたみたいだけど、いいの?」
「うん、このぬいぐるみを買ったら、お金がかなり減っちゃう。でも、うーん、また後で見に来てもいい?」
「もちろんよ」

 ぬいぐるみから離れて、下の階へ行くと、色違いで五色の花柄の小皿を見つけた。お気に入りのアクセサリーや角砂糖、キャンディー、クッキーなどのお菓子を入れて楽しむ。皿の隣にはハートや動物、星などの変わった形の角砂糖があった。
 ミラベルは小皿を、ジュリアは角砂糖を買った。
 ジュリアとミラベルは別の階の文具や手芸品などを見て、最初にジュリアが発見したぬいぐるみのところへ戻った。
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