小さな主人と二人の従者

「もう一つ加えるなら、俺達くらいの力の持ち主になれば、吸血衝動を抑えることができるな」
「美味しいものをたくさん食べればお腹が喜ぶしね。それよりジュリア嬢、聞かせてほしい話がいくつかあるけど、いいかな？」
「どうぞ」
「昨日気になるキーワードを言っていたよね？例えば屋敷とか、他にもジュリア嬢のことをもっと知りたいな」
「それは俺も引っかかっていた。教えられる範囲でいいから」

　ジュリアはおかしな印以外のことを話した。

「花の実を食べたって・・・・・・本当に？」
「知っているの！？」
「あれは五年に一度咲くよね？危険な場所に咲くから手に入れることは難しい」
「巨大な力のある者なら不可能なことはないな。ジュリア様、だから森にいたんだな。その男から逃れるために」
「そう。無事に逃げることができたと思えば、次から次へと遭遇するから心が落ち着かなかったよ」
「俺達は運が良いね。もし、二人だけだったらもっとひどい目に遭っていただろうから」
「これも何かの縁だな。とにかく俺達は従者として、ここにいるから何でも言ってくれ」