小さな主人と二人の従者
「二人はどこか行きたいところはある?」
「俺は今夜、ジュリア嬢の部屋に行きたい」
「ギャレット、俺達が許可をすると思うか?ジュリアのところへ行かせない」
「ケネス、もう様をつけて呼ばなくなったね。ジュリア嬢に」
「妹だと思い出したからな。さっきの質問のことだが、蜂蜜や乳製品を売っているところへ行かないか?」
「それって、百貨店?」
「いや、別の店だ」
「行きたい!」
「ケネス、案内よろしくね」

 その店は南街区にあった。真っ白な大きい店舗でアットホームな雰囲気。数十種類の蜂蜜や乳製品が取り揃えてある。
 ジュリアが蜂蜜や乳製品を使うことが多いので、ケネスは店を教えた。

「あ!酒があるね!」
「お前はさっき、散々飲んだだろ!」
「こんなとこで喧嘩しないで、仲良くしなよ」

 ジュリアはフレンチトーストやヨーグルトとの相性が良く、ケーキのソースとしても使用できるメープルシロップや一箱に十個入っているしっとりとした口当たりで、優しく上品な味がするチーズケーキを棚から取ると、ギャレットとケネスがジュリアのところまで来た。
 かごの中には蜂蜜パイや蜂蜜のワイン、モッツァレラチーズ、ヨーグルトなどが入っている。

「買い過ぎじゃない?それとギャレット!その酒は大きいから、もっと小さい瓶にして!」
「これくらいすぐになくなるよ」
「荷物になるでしょ!」
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