小さな主人と二人の従者
「ギャレット、もうその辺にしておけよ。それに二人で寝かすと思っているのか?」

 ケネスがいてくれるので、少しは安心していいのかもしれない。いざとなったら、ケネスに助けを求めることにした。

「甘えたいなら、素直に言えばいいのに・・・・・・」

 ケネスがギャレットの標的になった。

「そうじゃねぇよ!大体、一緒に寝ている時点でおかしいだろ!?恋人でもないのに」

 もっとギャレットに言ってほしい。
 ジュリアは密かにケネスを応援していた。

「これから親密な関係になればいいんじゃない?」

 先が思いやられて、いくつも不安が募るばかりだった。

「お金に困ったら言って?いくらでも出すから。ケネスが」

 この二人はいつもこんなやり取りばかりしているのだろうか。

「俺かよ!?お前も出すことくらいできるだろ?」
「あはっ、働いていたときがあったからね」
「何の仕事をしていたの?」
「ん?たくさんの仕事かな」

 濁すような言い方をされたので、ちゃんと教えてもらおうとすると、ギャレットが扉を開けた。

「それより、そろそろ行こうよ」

 財布、ハンカチ、ティッシュ、鍵、腕時計などを入れた鞄を肩にかけた。
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