小さな主人と二人の従者
 背中を押されて外へ追いやられた。鍵がきちんと閉まったことを確認してから、セーラ市へ足を踏み出した。

「いい天気で良かったね」
「そうだね、家の中にいたら、もったいないね」

 柔らかな太陽の光を浴びていると、小鳥達が気持ち良さそうに空中を飛んでいる。

「ジュリア嬢、買うのは食材だけなの?」
「ううん。他の店も見たいと思っているよ」
「俺、行きたいところがあるから、行ってもいい?」
「いいよ。先にそっちへ行こう」

 自分が発した言葉を戻すことができるのなら、ジュリアはそうしていた。

「このカーディガンはどう?ジュリア嬢」

 ギャレットは白のカーディガンを鏡の前で合わせる。

「行きたかった場所はここ?」
「もっちろん!」

 セーラ市に着くと、女性用の服屋へ入って、なぜかジュリアは何着も服を試着させられている。
 まるで着せ替え人形にでもなった気分。

「ここは品揃えがいいな、このビーズがついているトップスも着て」
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