小さな主人と二人の従者
「そうだね。家とか周囲とか見たり聞いたりしたら、何か思い出せるかもしれないからね」
「決まったことでケーキを食べようよ。お腹が空いた」

　時計を見ると、ちょうど一時半のところに針を指していた。

「待て。まだ昼食を食べていない」
「今から何か作る気？カレーはもうないよ？ケネスがジュリア嬢に残さずに食べちゃったから」

　買い物に夢中になっていて、食事をすることを忘れていた。
　実はギャレットもたくさんカレーを食べていた。この言い方だと、まるでケネスだけが悪者のようだった。

「俺は・・・・・・」
「ケネス、そんなに気に入ったんだ。また今度作るからね」

　信じたジュリアはケネスに笑いかけて、ケネスは何も言えなくなってしまった。ギャレットは面白くなさそうな顔になった。
　ギャレットはケーキの箱に貼っているシールを剥がしていて、すでに箱の中からケーキを皿の上に置いている。

「ジュリア嬢、ケーキの箱を開けちゃった」
「ケネス、もうここまで用意しちゃっているから食べることにしよう。足りなかったら、何か作るから」
「やれやれ」
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