小さな主人と二人の従者
　ケネスとギャレットがケーキを選んでいる間、ジュリアは見慣れない缶を発見した。

「どうかしたか？」
「この紅茶、家にあった？」

　緑色のキャディー缶で白色で商品名が書かれているもの。明らかに高級感が漂っているので、家のものではない。

「向かいの紅茶専門店で買ったんだ」
「一言言ってくれたらいいのに・・・・・・」

　ケネスは紅茶も好んで飲む。
　何も言わずに買ったので、ギャレットが口を窄める。
　服を七着ギャレットに買ってもらい、それらを袋に入れてもらうのに、時間がかかった。これはギャレットが店員に服について会話をしていたからでもある。

「あ！約束したことを忘れてなんかいないよね？」
「約束って、食べさせる？」
「ちゃんと忘れないでいてくれたね。ジュリア嬢」

　素直に口を開けようとしたときに視界が真っ白になって、誰かに菓子を食べさせられているジュリアが見えた。
　何これ？夢？
　相手は誰？どうしてあんなに嫌そうな顔をしているの？
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