小さな主人と二人の従者
「誰かいるの?」
「助けて・・・・・・、お願い・・・・・・」

 男性が助けを求めている。

「どこにいるの?」

 今度は別の男性の声だった。

「こっちだ・・・・・・」

 森の中へ逆戻りしていくと、そこには足や腹、他にも重傷を負った青年が二人横たわっていた。

「ひどい怪我!どうしたの!?」
「いきなり武器を持った奴らに襲われたんだ。そのせいでこんな・・・・・・」
「とにかく手当てをする!」

 だが、手当てをできるものはハンカチとストールしか持っていなかった。回復の魔法は使えるが、ジュリアの力では大回復の魔法はまだできなかった。

「あのさ・・・・・・」
「あまり動かないで。何?」
「君は・・・・・・」

 魔法を発動させていると、紅い瞳の青年に話しかけられて、彼はまだ動こうとする。

「だから動かないで!知らない人に触られるのが嫌かもしれないけど、ちょっとだけ我慢して!」

 大量の血を目の当たりにしているので、パニックで逃げ出したい気持ちになっていた。

「腹が減っているんだ。それもあって動けない」
「ごめん、何も食べ物を持っていないの」
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