小さな主人と二人の従者
 ギャレットは心配でたまらないのか、ずっと溜息ばかり吐いている。

「気持ちは嬉しいけれど、本当に大丈夫」
「剣を持って行かないんでしょ?」
「うん、持って行かないよ」

 友達と買い物へ行くときまで、剣を持って行こうとは思わない。ただ、念のために数種類の札を後で用意することにした。

「最近、物騒な事件が起こっているね」

 テーブルの上に置いている新聞を広げている。ギャレットが読んでいる新聞は昼休みにジュリアが図書館で読んでいた新聞と同じだった。

「子どもをターゲットにしてナイフを持って追い回す事件でしょ?」

 この事件の犯人はまだ捕まっていない。そのせいで病院へ運ばれる子どもの数が増えている。

「そうだ、ジュリア嬢に渡すものがあったんだ」
「何?」
「どうぞ、開けていいよ」

 袋の中に入っているものは防犯用玉砂利、催涙スプレー、シュアファイアライト、蛍光クラックボール、ホイッスルストラップ等。
 ジュリアとケネスは目が点になった。

「ギャ、ギャレット?」
「使い方はどれも簡単だからね」
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