小さな主人と二人の従者
「ジュリア、ここに着いたときに話したがっていたわよね?」
「うん。長くなるけど、いいかな?」
「いいわよ。それで話って何かしら?」

 ローズヒップの話から記憶を取り戻すために学校の生徒の話に変えた。

「カーシーのことだけど・・・・・・」

 ジュリアはまず最初にカーシーについて話を聞くことにした。彼に警戒していた理由や彼自身について。とにかくたくさんの情報が欲しい。

「彼のことを聞きたがるなんて思わなかったわ」

 そこで店員が注文を伺いに来た。ジュリアもミラベルもすぐに食べたいものを決めていた。

「お決まりでしょうか?」
「はい」

 先にジュリアが注文した。店員がジュリアからミラベルに目を向けた。

「私はこれにするわ」

 メニュー表の中にある写真を指差した。

「ライスかパンがセットになりますが、どちらになさいますか?」
「ではライスでお願いします」
「かしこまりました。本日はサービスデーとなっておりまして、デザートか飲み物を無料とさせていただいております」

 店員がページを捲り、丸で囲んであるところの中で選ぶことができると説明をした。
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