小さな主人と二人の従者
「蕩けていく顔に変わっていくところを想像すると面白そう」
「実際はどんな風になるの?」

 服の中に手を入れられて背中を撫でられた。あまりの冷たさに声を出した。

「甘い血を味わってから、舌でじっくり舐めてやるよ」
「やめっ・・・・・・」

 舌なめずりをしながら、二人が顔を近づけた。

「それじゃ・・・・・・」
「いただきます」

 口を大きく開けて噛もうとしたときに森の奥から大きな影が飛び出してきて、二人はジュリアから足を引きずりながら離れた。
 現れたのは森に生息する凶悪な魔獣。
 毒液を飛ばして相手の動きを鈍らせてから攻撃を仕掛ける。

「魔獣!?」
「うわっ!」

 ジュリアは放たれた毒液を避けると、頭突きを受けてそのまま木にぶつかった。続いて紅色の青年に毒液で足の自由を奪い、炎を出したときにときにジュリアが痛みに耐えながら彼の前に立ちはだかり、封魔の札を発動させて攻撃を防いだ。攻撃の矛先を変えて、もう一人の青年に攻撃をしようとしたところ、ジュリアが先にした。魔獣はジュリアを睨みつけて、突進してきた。二人と魔獣の距離を伸ばすために梅へ向かって全力で走った。
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