小さな主人と二人の従者
 雷の音を聞きたくないので、さっさと寝て意識を飛ばそうとしていた。ジュリアがベッドで横になる前にギャレットが腰を下ろしていた。
 ギャレットはジュリアの腕を引っ張り、強引に自分の膝に乗せた。ジュリアがケネスを呼ぼうとしたときに口を手で塞がれた。

「せっかく二人きりなんだからもっとこうしていよう?それにケネスは入浴中だから呼んだら駄目」
「ギャレット、寝たいの。だからね」
「だったら、こうしようか」

 ジュリアをベッドに沈ませて力強く抱きしめたので、密着度が半端ない。

「近づかないで・・・・・・」
「どうして?」
「私、口臭がするでしょ?」

 ギャレットは笑いながら否定した。

「そんなことを言って、雷が怖いでしょ?」
「だから怖くない・・・・・・」

 言い切る前に雷が近くで落ちたようだった。あまりの大きな音にジュリアは跳ね上がった。

「びっくりしたねって・・・・・・ジュリア嬢?」

 今にも泣きそうになりながら、ギャレットに背を向けようとしていたので、すぐにジュリアを反転させた。
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