小さな主人と二人の従者
 再び食事をするギャレットを見て、ジュリアは胸中で安堵した。

「今日はどうするんだ?」
「もちろん記憶の欠片集めをするよ」
「どこかへ行こうと思っている?」
「今日はレベル上げをしながら、魔獣を倒しに森まで行ってみようと思うの」

 ジュリアにとっても、二人にとっても特別な出会いとなった場所。

「行かなくて良いよ」

 ギャレットの反対攻撃がまた始まった。

「どうして?」

 返ってくる答えは何となく想像がつくようになった。

「俺達のような吸血鬼がいたらどうするの?全部血を奪われるよ。それに魔獣と戦ったときに肩を怪我したよね?」

 あのときの二人もかなり重傷を負って力がほとんどなかったので、ジュリアの怪我を治すことがまともにできず、今でも肩に古傷として残っている。

「お願いだから守らせてよ。危険なところに好んで行くことなんてない」
「私は親のように強くなりたいの!」

 ジュリアの両親はギルドに所属していて、あちこちで事件を解決している。子どもの頃から両親にあらゆる武器を使った術を学んできたので、いつか親のように強くなることを夢見ている。
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