小さな主人と二人の従者
「この虫はあなたが用意したものじゃないですか?」

 ジュリアが問い詰めると、彼女はジュリアに平手打ちを食らわせようとした。

「この騒ぎについて詳しく話を聞かせてもらえますか?」

 誰かが呼んだのか、騒ぎを聞こえたのかわからないが、警備員が店の中へいつの間にか入っていた。彼女達は最後まで激しく抵抗していた。

「あの、これを・・・・・・」
「ありがとうございます。本当にありがとうございます!」

 店員にハンカチを渡すと、泣きながら何度も頭を下げられ、ジュリアはオロオロとうろたえた。他の客達は店員を慰めたり、ジュリアを褒めていた。
 店を後にして海道を歩いていると、ギャレットがジュリアの頬を軽くつねった。

「痛いよ、何?」
「このお嬢さんは本当に首を突っ込むことが好きだね」

 左の頬を撫でていると、今度は右の頬をつねられた。

「ちょっと痛い!」

 ギャレットの手を払い除けると、彼は偉そうな態度で言ってきた。

「罰だよ」
「どうして私が悪いの!?あのまま放っておいたら、彼女は最低な店員とレッテルを貼られるところだったのよ!」
「殴られそうになっていたよね?」

 タイミングを計ったように警備員が来てくれたおかげで殴られずに済んだ。
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