桜涙
「よし、あいつらに伝えといたから行くか。」
「うん。」
翔汰は私よりも楽しそうな顔をしながら歩いていた。
人混みの中私は翔汰と離れないように翔汰のカッターシャツを少しだけ掴まらしてもらった。
翔汰が後ろを振り向いた時。
「めごそんな事しなくてもはぐれないから安心しろよ。」
「でも、もしもはぐれちゃったら…」
こんなに人が多いのが初めてだったから不安で不安で仕方なかった。
すれ違う人からは温もりも感じない。
そんな中また一人ぼっちになってしまったら…
私の中が不安でいっぱいになって押しつぶされそうになったとき私は体が 宙に浮くような感じがした。
「よっと、仕方ねーな。今日だけは特別に
かっこいい俺が180%離れないようにお姫様だっこしてやるよ。」