桜涙



  「ありがとう…翔汰寒くない?」


  「これぐらい平気だっつーの。それより早く行こうぜ、町の人が家に入ったらどうしようもねーもん。」


  翔汰はぎこちない笑顔だったけど私に笑いかけてくれた…


  その笑顔を見たとき翔汰は私と同じぐらい不安だったことに気がついた…


  翔汰があんまり喋らなかったのは不安で弱音をはきたくなかったからなんじゃ… 


  私が不安な顔をしてたら翔汰まで不安になるよね…

  
  「うん!」


  だったら私は笑うよ。


  いつも笑っている翔汰が好きだから…


  「急に笑ってどうしたんだよ?面白い事あったのか?」


  「別にー?それより早く行くんでしょ?」

  
  私は翔汰が貸してくれたブレザーを羽織
自分の不安を押し殺すように無邪気に振る舞った…
 
  

   

  

  

 
  
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