桜涙



  「やめッ…」


  私がやめてと言い終わる前に男は私の太股辺りを触ってきた…


  太股とか翔汰におんぶしてもらった時以外触られたことなどない…


  翔汰…


  おんぶしてもらった時の温かくて優しくて…


  守よって言ってくれてるみたいな背中が


  大好きで大好きで…


  とても安心できた…


  「翔汰…」


  翔汰…


  翔汰…

  
  翔汰…


  お願い…


  助けて…


  「うがぁ!!」

 
  後ろで小刀を構えている男の人が倒れた…


  「なんやなんや??どないしたん??」


  私の太股辺りを触っていた男の人が倒れた男の人に近付いていった…


  その時、その男の人も急に倒れた…


  よく見ると背中が斬られていて血が出ていた…


  「嫌っ…」


  私は急に力が抜け地面にしゃがみこんでしまった…





  

  
  
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