桜涙
徐々に誰かの足音が近付いてきた…
このままじゃ私も殺されるの??…
誰か…助けて…
「大丈夫ですか?怪我とかしていませんか
?」
優しそうな声…
この人はきっと優しい人だ…
私は顔を上げた…
するとそこには、袴を着ていて色が白く、髪の毛を1つに結んでいた男の人が立っていた…
歳は私より3つ4つ上ぐらいに見えた。
「怪我はしてません…助けてくれてありがとうございます…」
私は彼にお礼を言った。
「よかった…家はどこですか?危険なので家までお送りします」
彼はニコッと微笑みかけてくれた。
その優しい笑顔…
まるで、翔汰の笑顔のようだった…
その笑顔をみると切なくなり、胸がぎゅっと締めつけられた…
「あの…その…ここはどこですか??」
「ここですか??ここは京の町ですよ。」
京の町…
それってつまり京都!?
しかも京の町と呼ばれているってことは江戸時代あたり?
私なんでこんな所にいるんだろう…