桜涙



  「そこをなんとかお願いします。」


  沖田総司は一生懸命に頼んでくれた。


  それを見ていた周りの人たちは


  「あの、近藤先生…沖田さんがこんなに頼んでいるのでせめて土方さんが帰ってくるまでおいてあげたらどうですか?」


  「俺からもお願いします-。この子可愛いし、町にほっとくなんて危険ですよ-。」


  みんなが頼みだしてくれた。


  まだ、本当の理由も話していないのに…


  「急にお訪ねしたのにこんな図々しくてごめんなさい。だけど、私には帰るところがないんです…少しの間でいいんでお願いします。」



  私も一生懸命お願いした。


  もしも無理だったら私はどこに行けばいいのだろう…


  お金も家も知り合いもいない…

 
  先のことを考えると暗闇の中に落ちた気分だった…



       



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