桜涙
「とにかく今日はトシの布団を出して初めては心細いと思うから総司と同じ部屋で寝てもらってもいいかな?」
「ありがとうございます…」
正直今は誰かがそばにいてほしかった…
苦しくて、胸が締め付けられて…
心にぽっかり穴が空いているようだったから…
「じゃあ僕布団敷いてきますね。」
藤堂さんがそう言って廊下に出て行った。
藤堂さんは自分から進んでやる人なんだ…
「愛ちゃんお腹減ってないか??」
「いえ、大丈夫です。」
今はお腹が減っているというよりも食欲がなかった…
翔汰の事で頭がいっぱいで何もする気が起きなかった…
みんなは楽しくお話ししていた。
だけど私はぼーっとしていた。
頭が真っ白で何も考えられなかった。
「お布団の準備ができましたよ。」
藤堂さんが扉からひょこっと顔を出した。
「ありがとうございます、藤堂さん。」
「藤堂でいいですよ。歳近いだろうし、ね?」
藤堂さんはニコッとしてくれた。