桜涙
「いきなり呼び捨てはちょっと…馴れるまでは藤堂さんでいいですか?」
「いいですよ。」
藤堂さんは見かけ通り優しかった。
「愛ちゃん部屋に行きましょうか。」
沖田さんが私を部屋に案内してくれた。
扉を出て縁側を通って真ん中辺りの扉の前で沖田さんは立ち止まった。
「ここが私の部屋です。さぁ、入って。」
沖田さんは扉を開けて、中に入った。
私も続けて入った。
「綺麗ですね…」
沖田さんの部屋は整理整頓されており、とても綺麗だった。
「そうですか?ありがとうございます。“みんなには綺麗すぎだ!!男なら少しぐらい汚くてもいいんだよ”って言われるんですよ。」
沖田さんは苦笑いをしていた。
部屋にある棚には難しそうな小説、そして部屋の奥や左右にはまた扉があった。
そして真ん中には布団が2つ。
「じゃあ、寝ましょうか」
私たちは布団の中に入った。
私は布団に入ったと言うよりも潜った。