桜涙
約束*part 2【沖田総司 side】*
同じ日の朝。
藤堂さんが愛ちゃんを起こしに私の部屋に行っていて、私は近藤さんや原田さん達とその帰りを待っていた。
原田さんはさっきから机の上に並べられたご飯を涎を垂らしながら見つめていた。
「藤堂の奴早く戻って来ねーかなぁ 。俺もう腹減って死にそうー。」
原田さんはさっきからずっと同じ事を言っている。
「何言ってるんだ原田、藤堂は今行ったばかりじゃないか。」
「分かってるけどさぁ…」
永倉さんの返事に少しふてくされている様子だった。
そして、その様子を近藤さんは少し呆れているような顔つきで見ていた。
その時藤堂さんが帰ってきた。
「藤堂、ようやく帰ってきたな!ほら飯食うぞ!…って愛ちゃんは?お前起こしに行ったんだよな?」
みんなが藤堂さんの方をみた。
彼の後ろにも横にも愛ちゃんの姿はなかった。
「それが、今は遠慮しとくと言ってました。」
「藤堂さん、愛ちゃんはどんな様子でしたか?」
私も気になったので聞いてみた。
「なんだか、あまり元気がなかったような気がします…。布団から起き上がりもしませんでしたし…」