桃色☆クローバー
「そっかぁ」


ちょっぴり悲しくなったあたしは一言だけ返して会話終了。



階段を登り終えると同じ扉が並ぶなか左手の一番手前のドアを指してここだよって教えてくれたのでありがとうと言ってドアノブをまわした。



扉の向こうはトイレで間違いなく、あたしは早速化粧直しをした。
目の下は黒くなっていて確かにパンダだったけど、思っていたよりも酷くはなかったから少し安心した。
綿棒で丁寧に汚れを落としてからアイシャドウで誤魔化して、鼻も垂れちゃってたからファンデでなんとか修正した。




用を済ませて廊下に出ると聖は階段の方で腕組みをしながら壁に寄りかかって待ってくれている。


あたしがトコトコ近づいていくと聖は無表情で大丈夫かと問うので大丈夫、ありがとうと返すとまたあたしの手首を掴んで来た道を戻っていく。


その行為をすんなり受け入れてただ付いていくだけのあたし。
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