桃色☆クローバー
そんなことより嬉しいのは緑が多いって事。
まわりの景色は緑一色。
桜がキレイだっ!
んー♪

ん?

だんだんと近づく緑のアーチ。
あれは何?。

アタシの視線の先には緑のトンネル。


近くに立ってからわかった。
藤の木だ!藤棚のトンネルだ!
可愛い!
学校にこんなトンネルがあるなんて・・・
すごいっ!素敵!!やだ、どうしよう!気に入っちゃったよ!この学校っ♪

かなり興奮しながら歩いてるとキレイな緑のロータリーが見えてきた。


と、同時にさっきまでお喋りをしながらのんびり歩いていた女生徒達がキャーっと声を上げて走りだす姿が。
まわりの人たちが一気に押し寄せて追い越していく。
一体何事?


不思議に思いながら麻紀としげくんにくっついて歩く。

「なに、あれ?」

目の前には人だかり。

女の子の叫び声が耳を貫く。

あまりにも大きな騒ぎに人込みが苦手なアタシは頭がクラクラしてくる。

一瞬で人込みに酔ってしまいそう。

気分が悪くなってくる。


「すぐわかるな!」

人込みを見てしげくんが微笑む。

何がわかるの?
何だろう?

アタシはチビだから人の先に何があるのか全く見えない。
飛び跳ねてみるけど全く無意味。

あーあ、チビって悲しいね。


 ガクンッッ!!!

「キャッ」

な、ななに?!

びっくりしながら周りを見回す。
あれ?なんか景色が勢い良く流れている。まるで走ってるような・・・

状況を把握するのに時間がかかってしまう。

手?をつながれている……
目の前には飛び跳ねるしげくん。

…あぁ、アタシ今しげくんに手を引かれて走ってるんだ。

我ながら呑気な頭だなとある意味関心する。

人込みを掻き分けてしげくんはどんどん進む。

アタシはしげくんに引かれるまま付いていく。

しっかり繋がれた手が少しだけ痛くて‥‥しげくんは男の子なんだなと今更ながらに思った。




「ああ!!しげくんだっっ」
「キャァー!」
「しげぇ!」


!!!!?

しっしげ?

何何?

意味分かんない!

しげってしげくんの事言ってるの!??

< 22 / 106 >

この作品をシェア

pagetop