桃色☆クローバー

「モカ!今度そのボーイフレンドを連れてらっしゃい!」

「っ!」

何を言いだすんだ!この人は!
馬鹿じゃないのかと怒鳴りたくなるのをグッと堪えて

「あのねママ、今はいないの。もう別れた人をどうして紹介するのよ?」

「えー、でも気になるじゃなぁい!」

ぶっ!
ちょっとあんたいくつよ!
そんな頬膨らせて口まで尖らしちゃって!

まったく・・・

困ったもんだ、、、

はーあ。

しげくん達が来ること言わなきゃ良かった。


「そういえば…モカが倒れたって聞いて急いで病院に駆け付けた時、とってもハンサムな男の子がいてママびっくりしたわ!あの子もくるの?」

ん?ハンサム?懐かしい言葉だな。

じゃなくて!

誰のこと?しげくん?
確かに良い顔してるけどどちらかと言えば可愛いって感じだし・・・

「もう一人の子も女の子みたいな可愛い感じで良かったんだけど、ママ的には美形ちゃんがストライクゾーンだったわぁ!」

んー??
それって誰のこと?

麻紀そんなこと言ってたっけ?





ガラガラ〜


「桃来たよぅ♪」

あっ!

「麻紀っ♪毎日ありがと〜」

麻紀がドアからひょっこり顔を出した。

麻紀が入ってきたドアを覗く。


「もっもちゃぁぁん♪♪」

「しげくんっ!」


しげくんが入ってきた途端にこっちに突進してきた!
危ない!

ふわっっ




あれ?

すごい勢いだったから絶対倒れる!って思ったのに・・・

しげくんはアタシを優しく抱き締めた。

「良かった。元気そうで」

・・・しげくん。

心配してくれてたんだね。
ありがとう。


「しげくん、ありがと。もうすっかり元気だよ!」

そう言うとしげくんは少し体を放してアタシを見下ろした。
アタシもしげくんを見上げると、しげくんは最高に優しい笑顔をくれた。

その笑顔にちょっとだけ胸がキュンとした。

・・・・・・・
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