桃色☆クローバー
「蓮美さんでしたわね。確かにあなたのおっしゃる通りだわ」


へ?


「薫子さんっ!?」


えっと…先輩達は薫子を目を丸くして見ている。
アタシも思わぬことばに驚いた。


「いきなり呼び出して大人数で不躾なことをしてしまってごめんなさい。」


……はい?

えーっと…

なんか話が違う…

美香に気を付けてって言われたけれど、アタシの目の前にいる彼女はアタシに頭を下げて謝っている。


何が一体全体どうゆうことなのか。


「いっいえ、アタシも失礼なことを言いましたし…」


なんか謝っちゃったよ…


頭がついていかない…


悪い人じゃないのかな?
ただまわりが騒いでるだけで。


「あなた、セイの事がお好きなの?」


え…

どうしよう…

でも嘘は付きたくない。

初めて本当に好きになったんだもん!


「はい…好きです」


「そう。私もセイが好き。ライバルですわね。お互い頑張りましょう」


笑顔で手を差し出す桜田薫子。

アタシはそっと自分の手を重ねた。

ギュムウゥゥ…


い、いた…

なんか力はいってません?

はっとしてパッと顔を上げると桜田薫子はニッコリ笑顔。
そしてすぐに手が離された。

……

「では。さようなら。」


うっ

なんか今すごぉく見下した感じで笑わなかった?


なんなんだ、あの人。

良い人かと思ったけど、強く握られた手が痛い。


意味が解らない。


はぁ…疲れた…


今日はもう帰ろうかな…


アタシはトボトボと歩いた。



教室に戻ると美香がもの凄い勢いで近づいてきてアタシの目の前で止まり、アタシを上から下まで舐め回すように見た後こう言った。


「よかった…」


・・・・それは、どうゆう意味ですか?




美香はアタシの無事を確認するとホッとしたように顔を緩めて微笑み、席に戻っていった。


美香に続くようにアタシも席に付いて次の授業の教材を出す。

次は科学かぁ。

どんな先生だろう?





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