桃色☆クローバー
シャワーを浴びてサッパリしたアタシはリビングでアイス片手に雑誌を読んでいた。


「桃、映画見に行かない?」

リビングに入ってきた清矢は可愛い笑顔でそう言った。

「映画?」

「うん。桃見たいって言ってたじゃん」

あぁ、あのアクションが激しいやつかぁ。
見たかったけど…今はそんな気分でもないんだよね…。

清矢がアタシの顔を覗き込みながらニッコリ笑ってる。

あ―――

「行く!あと買い物したい!」

「ん。じゃ用意できたら声かけてね」


そんな気分じゃない。
そう思ったけど、清矢がアタシを心配して誘ってくれたのが分かったから行くことにした。

落ち込んでても仕方ないしね。

うん。

ウジウジしても立ち直りが早いのがアタシの持ち前だからね。




そうと決まれば準備準備!

胸の痛みは消えないけどその分楽しいことをして前向きにならなきゃ。


アタシは急いで準備した。



〜20分後〜

「清矢〜」

「ん、じゃ行こっか♪」

清矢も着替えたらしく見た目はアタシより年上に見える。

遊び回ってて不良っぽいけど、しっかりしてるし優しいしちょっと自慢の弟かも♪なんて思っちゃうブラコンなアタシ。



20分くらい歩けばすぐこの町一番のメインストリートに出る。

さらにちょっと行けばかなり大型のショッピングモールがあるのでそこに向かった。





「平日この時間は空いてるねぇ。」

「映画館は特にね〜」


着いて早々映画館に入ると上映時間を確認。


「時間ちょうどいいね。なんか買う?」

「うん♪キャラメル〜」

アタシはここに来ると必ずキャラメルポップコーンを買う。

甘くておいしいよねー♪


チケットを買って売店に並ぶ。

アタシは清矢の後ろにくっついていく。


ほんとどっちが上かわかんないよね。



「桃、トイレは?」

「行ってくる!」

アタシはトイレに向かって走りだした。

「桃、走らなくてもまだ時間あるから」

……えへっ♪

ほんとお兄ちゃんみたい。

さすがに恥ずかしくなって小さく頷いてからゆっくり歩いてトイレに向かった。

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