桃色☆クローバー
「あー、すごかったねぇ」

「うん。案外おもしろかったな」


映画を見終えたアタシはかなり満足でルンルン♪


自分単純だなーと思う。


「じゃ、次は買い物!」

「うんっ♪」



アタシはすっかり元気を取り戻していた。

胸の痛みはあまり感じなくなっていた。

落ち着いて良く考えれば先輩のこと全然知らないし。

勝手に良い人だって思ってたし。

まぁ、先輩の性格については何も言えないなって思った。

猫被っていたとしてもね!

でーもっ!

でもでも!
キスしたことは許せない!

当たり前でしょ!
有り得ないでしょ!
おかしいでしょ!!



冷静になった今、アタシのなかに残ってるのは怒りだけ!

絶対許さないもんね!



アタシはあんなに先輩の事好きだって思っていたけど今は嫌いだ!


大嫌いだぁー!!


「桃の好きなショップ見ないの?」


え?

ああ!

「見るー♪」


アタシのお気に入りのショップが目に入った途端、頭が完全に切り替わってそのお店に一直線!




「ね、どっち!?」

「ピンク」

「ええ!またぁ?」

「だって桃色だよ?」

「確かに……」


二色のワンピースを手に持ち悩むアタシ。

ピンクと白、どっちがいいかなぁ?

清矢に聞くと決まってピンクって言うんだよねー。

人にそう言われるとそっちのがよく見えちゃうアタシ。

んん〜………


「二着とも買えば?」

「…うーん。」

「じゃ、俺が買ってやるよ」

「え!いーよ!うん。じゃ、どっちも買う!」

清矢が焦らすから慌てて即決したアタシ。


ふぅー。


清矢と来ると買い物が早い。

だって焦らすんだもん。

一人だったら確実に余裕で二時間以上迷っちゃうんだよね。

あはは…



それからまた違うお店に行ってまた悩んでいると…


「あ、クレープ食いたい♪」

「あ!アタシも〜!」

「じゃ、早く決めちゃいな〜」

「あっうん!」

また焦らされてしまう…



こんな調子で清矢の思う壺なアタシ。
< 53 / 106 >

この作品をシェア

pagetop