桃色☆クローバー
「はぁ…」
「桃香♪おはよ」
「美香おはよ〜」
「何?深〜いため息ついちゃって」
「え?アタシため息ついてた?」
嘘、気付かなかった。
「うん。はぁぁぁぁ〜って」
「え〜そんなに?」
「うんうん。」
「そっか。」
「幸せ逃げちゃうよ?」
「もう逃げちゃったよ…」
うん。
もう逃げちゃった。
折角好きな人ができたと思ったのに…
「もうにげちゃったって…何に逃げられたわけ?」
……
美香には言えないよ。
先輩のことなんて。
先輩のことセイ君て呼んじゃうくらい仲良い美香には言えない。
そんな仲良い美香は先輩の本当の顔を知ってるんだろうか?
知ってるかもね。
でも聞けないよ。
だって知らなかったらバレちゃうわけだし…
そしたら先輩困っちゃう…
って!!!
何アタシ先輩のこと考えちゃってんのよ!
しかも心配とかしちゃってるし!
アタシの馬鹿!
別に良いじゃん!
バレたって、困ったって関係ないじゃない!
………
でも言えない。
言えないのは…ただ、アタシの中の良心がダメだって言うから。
好きだからとかじゃなくてただの良心だよ。
うん。
アタシはそう考えて納得した。
納得したはずなのに胸につっかえたものが有った事は気付かないふりをした。
「桃香?」
「え?あ、ごめん」
「大丈夫?」
「うん」
美香が不思議な顔をしていたけどアタシは笑って誤魔化した。
ピピー!
いつのまに授業が始まったのかボーっとしてたら気付かなかった。
校庭から聞こえる笛の音で気が付いた。
窓から校庭を見るとサッカーをする男子。
体操着の色は赤だから三年生だ。
ベランダには長く伸びたさくらの木の枝が柵の間を飛び出して青々しい緑の葉っぱを見せている。
あったかくて眠くなってきちゃう。
ちょっとウトウトしながら校庭を眺めた。
何度も先輩の優しく笑った顔が頭に浮かんで来たけどアタシはまた気付かないふりをした。
そうやって誤魔化すしかなかった。
「桃香♪おはよ」
「美香おはよ〜」
「何?深〜いため息ついちゃって」
「え?アタシため息ついてた?」
嘘、気付かなかった。
「うん。はぁぁぁぁ〜って」
「え〜そんなに?」
「うんうん。」
「そっか。」
「幸せ逃げちゃうよ?」
「もう逃げちゃったよ…」
うん。
もう逃げちゃった。
折角好きな人ができたと思ったのに…
「もうにげちゃったって…何に逃げられたわけ?」
……
美香には言えないよ。
先輩のことなんて。
先輩のことセイ君て呼んじゃうくらい仲良い美香には言えない。
そんな仲良い美香は先輩の本当の顔を知ってるんだろうか?
知ってるかもね。
でも聞けないよ。
だって知らなかったらバレちゃうわけだし…
そしたら先輩困っちゃう…
って!!!
何アタシ先輩のこと考えちゃってんのよ!
しかも心配とかしちゃってるし!
アタシの馬鹿!
別に良いじゃん!
バレたって、困ったって関係ないじゃない!
………
でも言えない。
言えないのは…ただ、アタシの中の良心がダメだって言うから。
好きだからとかじゃなくてただの良心だよ。
うん。
アタシはそう考えて納得した。
納得したはずなのに胸につっかえたものが有った事は気付かないふりをした。
「桃香?」
「え?あ、ごめん」
「大丈夫?」
「うん」
美香が不思議な顔をしていたけどアタシは笑って誤魔化した。
ピピー!
いつのまに授業が始まったのかボーっとしてたら気付かなかった。
校庭から聞こえる笛の音で気が付いた。
窓から校庭を見るとサッカーをする男子。
体操着の色は赤だから三年生だ。
ベランダには長く伸びたさくらの木の枝が柵の間を飛び出して青々しい緑の葉っぱを見せている。
あったかくて眠くなってきちゃう。
ちょっとウトウトしながら校庭を眺めた。
何度も先輩の優しく笑った顔が頭に浮かんで来たけどアタシはまた気付かないふりをした。
そうやって誤魔化すしかなかった。