桃色☆クローバー
「聖はドコへ向かってるの?」


「ん?俺の部屋だけど?」


………はい?

俺の部屋?


「えっと、聖の部屋って?」


「言葉のとおりだけど?」


うん。意味不明。



きっと聞いても先輩…聖の返答は理解できないね。


アタシは諦めてやっぱりおとなしく黙ってることにした。






――やがて着いたのは本当に‘部屋’だった。


真っ白な空間に大きなソファが四つにテーブル。

壁には薄型テレビ。


本当に‘部屋’じゃん。



部屋に入るとアタシはソファに降ろしてもらった。





こんな…てゆうか、学校の敷地内に部屋って…何それ?

しかも聖は自分の部屋だと言うし。


うーむ…………



理解できない。




「で、お前は何してたの?」




ん?

「何が?」

「…泣きながら廊下をドタバタ走って何してたわけ?」



なにって……




「あああっ!!!!!!」


完っっ全に忘れてた!


携帯!携帯!


かなり慌てて携帯を取り出して着歴からママにダイヤルした。


「はぁい♪♪」


呼び出し音もなくすぐに出たママ。


「し、しんご!!信吾は!??」


「ちょっといきなり大声出さないでよぅ!」


「そんな事より!信吾ッ!」


「何よ、信ちゃんがどうかしたの?」


もう!!


「写真!信吾っ!写真に!!」


「え〜?写真ってさっきモカに送った

“ママと信ちゃんのお庭でラブラブいやん!本物そっくりめちゃ素敵合成写真”

のこと?」



………………



「あれねぇ、信ちゃんのお友達に頼んで作ってもらっちゃったのー♪♪キャハ☆本物そっくりでしょっ♪信ちゃん写真あんまり撮ってくれないから数少なくて最近の探すのすっごく大変だったんだからぁ!!あはっ♪あ!そうそう!ついでにモカと信ちゃんの2SHOTもちゃぁんと頼んで作ってもらったから心配しないでね!違う写真も頼もうと思ってるか『ブチッ』…ツーツーツー



………………





最低。


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