桃色☆クローバー


「フゥ……ン…」




どのくらい時間が経ったのか…





ずっと離れない唇。聖。









嫌だって思ってるはずなのに





アタシの身体は拒んでいるのに





心が言うことを聞かなくなる。





胸が高鳴って





心が暴走しだす。





制御できなくなる。





消えたはずの想いが





アタシの中に潜んでいたのかもしれない





頭が働かなくなっていく。




どんどん。





落ちてはいけない





危険な闇に溶けてしまいそうだった。





飲み込まれちゃいそうだった。







不覚にも聖のキスに酔ってしまいそうだった。





心を奪われてしまいそうだった―――





―――違う。




初めから。




あの時揺れる電車のなかで目が合った瞬間から




アタシは聖に溺れていた




のかも、しれない。











この時、アタシは気付いたんだ。


もう止められないって。


止まらないって。




それでもアタシは…




その事実を、この想いを、



一度捨ててしまった心を、



素直に受け入れることが出来なかった……





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