桃色☆クローバー
待ち合わせ場所に着くと麻紀はすでに来ていた。



麻紀を待たせちゃうのはいつもの事。



「麻紀〜おはよっ。ごめんね!」

「うん、行こ」



にっこり笑顔の麻紀はなんだか朝から上機嫌だ!



なんか良いことあったかな?



「ねぇ、明日暇だよね〜?」



「え?」



……なんか怪しい言い方ですね。



「暇だよねー??」



うわっ!絶対なんか企んでる、この顔!



「…なん、で?」



「明日たっちゃんの誕生日だって言ったじゃん!だからお祝いしようと思って♪みんな呼んでパーティーするの!桃も行くよね?」



たっちゃんの誕生日?



そういえば聞いたような…


「今日誕生日プレゼント買いに行くから付き合ってよ!」

「うん、いーよ♪」



えへへと頬を赤くして笑う麻紀はとっても女の子らしくて可愛かった。







―――放課後



アタシは麻紀の買い物に付き合っていた。



たっちゃんが好きだというブランド店でネクタイを手にどれにしようか悩んでいる麻紀。



アタシはキョロキョロ店内を見回していた。



紳士服専門店で落ち着いた大人の男性が着るようなものばかりだからベーシックな物ばかり。



一通り見て回って麻紀の様子を覗きにいくとちょうどお会計を済ませているところだった。



「お待たせッ」



「気に入ったのあったぁ?」



「うん!ありがとう」



「は〜い♪ねっアタシもたっちゃんに何かあげたいんだけど良いかなぁ?」



様子を伺いながら尋ねてみるとすぐに返事が返ってきた。



「もちろん!たっちゃん喜ぶよ♪」



よしっ!

そうと決まれば…何がいいかな?

ん〜〜、先生だしなぁ〜、麻紀の好きな人だしなぁ…

無難にお花で良いかな?

うん。

花束にしよう!


「アタシ花束あげたいっ」

「うん!じゃ、さっそく予約しにいこう!」






フラワーショップに花束の予約をするため電車に乗って地元に戻った。

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