桃色☆クローバー
それとも何、よっぽどあたしの泣き後が醜いの?いい感じの空気壊しちゃうくらい酷いわけ?
あたしは聖の言葉に不満たっぷりで、頭のなかで文句を言ってみる。
もちろんそんな事は口に出せないのだけども。
脳内で聖に噛みついてる自分を想像しながら言葉を連ねていると聖がまた口を開いた。
「トイレはこっち」
言いながらあたしの頬に触れている手を降ろしてそのままあたしの手首を掴む。
と同時に肩から手が離れて。
掴んだ手首を引く。
あたしは一瞬手を振り払おうとしたけど、聖から放たれるオーラに飲み込まれて引かれるまま素直に聖に従う事しか出来なかった。
聖はあたしが抵抗しないのを確認してからゆっくり歩き出した。
トボトボと付いていきながら捕まれた手首に意識が集中。
一度温もりを許してしまったら逆らう気になんてなれなくて。
熱い手首を見つめてしまう。
と、聖はゆっくり方向を変えると階段を上っていく。
あたしがさっき下ってきた階段を。
あたしは疑問に思って聖に問いかけた。