ツラの皮
そこで俺の忍耐が限界を超えた。
「つか、寧ろコレまでの女と同じ方がまだ良かったわっ!告って、セックスして、デートして、指輪までくれてやって、どーして俺は未だに範疇外だよっ!?」
イイ雀面子とか、ロクデナシのお守りとか。
しょーもねぇ役所に落ち着けやがって!
俺の剣幕に気圧されて黙った麻生が次の瞬間豪快に噴出した。
椅子から転げ落ちて床で転げまわる。
一度海に沈めてやろうか?
この笑い上戸がっ。
「あはははは。告ったんだ!高遠が。マジ告りするとこ見たかったー」
「ウルサイ。」
「てか、一応手はつけたわけ。タチバナさんに知られたらイビられるかもよ?アレで中々親バカだし。」
「それも余計なお世話だ。ほっとけ。」
「つか、しょーもないほどメロメロだね、高遠。でもさすがに指輪って結婚指輪とかじゃないよな?」
その質問に俺はちょっと詰まった。
「マジ!?……それはさすがにちょっとテンパりすぎでは?」
「……いや、違う。ただチラッとそんな会話があっただけで。」