ツラの皮



無論、こんな状況じゃなければもう少しなりとも展開があっただろうが……




と、肩越しにキッチンの躯を睨む。


さすがにここで騒いだら、後で何を言われるか分ったもんじゃない。


タチバナに親としての自覚があるのか甚だ疑問だが、間違いなく俺は弄られる。

それはもう執拗に。






……ふん。


なにはともあれ、俺のものだという証をつけておくのもいいかもしれない。


犬に首輪をつけるように。




しかしいきなり何て言うかだな……







「結婚するか?」


「頭にウジでも湧いた?」




遊びに熱中したまま即答………





って、オマエそれ、限りなく素だろっっ!?

単なるツカミだったとはいえ俺のプロポーズはマージャン以下かよっ!?




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