ツラの皮






「……絶対買ってやんねぇ。」


「ええっ!?何ソレ、ぬか喜びっ。人を好き放題振り回して、高遠の自己中野郎っ!」


「振り回してるのはソッチだろうが!」


「はぁ!?何ソレ!ワケ分かんない!」






チラリと後ろを見るとコチラに背を向けたタチバナの肩が小刻みに揺れていた。


のやろ……っ。



その後麻生が帰ってきてその話は買ってやらない方向でうやむやになった。






再開したマージャンで、俺はなんもかんもの八つ当たりで鈴をこてんぱんに熨してやってちょっと溜飲を下げた。











繁華街まで行くとさすが思考だだ漏れオンナ。


とある店の前である意味恐ろしげにも見える神妙な面持ちで凝視していたので直ぐに分かった。



離れた間に店に舞い戻って「さっきの奴がいつも見てる指輪」という説明で恙無く通じた





……って、どれほどインパクト残してんだ、アイツは。




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