ツラの皮
―――戸惑いを一滴混ぜた笑顔。
俺の軽い愛想笑いと相変わらずの毒舌に、雪乃は硬いながらも微笑を浮かべてみせた。
少し泣きそうに。
「……久し振り、だね。今度一緒に仕事出来るって聞いて、今日はたまたま仕事の帰りに通りがかったから挨拶していこうってマネージャーにお願いして寄ってもらったの。それで、二人がいるって聞いてちょっと抜け出てきて……」
俺はニコリと極上の笑みを浮かべた。
「火のないところに煙の立つ世界で、行動は自重した方がいいぜ、大女優さん?万が一の時に迷惑被るのは自業自得のお前はともかく、理不尽に巻き込まれる相手なんだからな。」
雪乃は明らかに刺さったという顔をして、俯いた。