ツラの皮
ツー
女が俺の表面しか見ないのと同じように俺も相手の内面まで知ろうと思わなかったし、知りたくもなかった。
恋愛なんて所詮、絵空事だ。
張りぼてを命一杯飾って相手を幻惑し、一時の駆け引きを楽しむだけのゲーム。
これまで恋愛の真似事すら億劫で、『性悪』な男を取り繕いもしなかった。
誰もが興醒めして近づかないだろうと踏んでいたのに、中々どうして世の中には悪食な女が沢山いる。
というか、内面には目を瞑り、外面だけに重点を置いていたのだろうが。
そんなもんだと思っていたし、どーでもいいとも思っていた。
あの思考ダダ漏れの規格外に遭うまでは。