ツラの皮
人事なのに酷く焦って阻止する手段を考えあぐねた。
心配?
そりゃまあ・・・人として。
こんな騙されやすいのがまんまと罠に掛かりそうになっているのを眼前で傍観しているのは人として気が引ける。
ただそれだけで、それ以外に他意はない。
いわば絶滅危惧生物の保護ボランティア精神だ。
女は友人の阻止にあってその場に留まっていることを余儀なくされたものの、その表情は刻々と深刻さを増してゆく。
場当たり的にこの場を収めても根本的な問題解決にはならず、行かないことで酷い結果を招くかもしれない。
仕方がないがここは帰してやるのが正しいのか。
そんなことを真剣に考えつつ、考えていることがふとバカらしくなった。
何で自分の事じゃないのにこんなに気を揉まれなきゃならないんだろうか。
アホらしい。
そう思いつつ協力してやったのは気紛れだ。