ツラの皮
ダ マ サ レ タ。
麻生相手にヘラヘラして、
コンパに人生を賭けていたようだし、
実の親とマージャン三昧で、
所詮思考晒し捲くりの規格外女、
と高を括っていてまさか結婚を持ちかけるような存在があるなんて夢にも思っていなかった。
ダマサレタとは俺の勝手な言い分で、考えたこともなかったと驚いているコイツに隠そうという意図はなかったのだろうが、否応なく腹が立った。
よほど想像外のプロポーズだったのか、好きといいながらもこれまでの関係が心地よくて転換を踏み切れないのか、グズグズとしているバカ女。
連れ帰ったのはほっとけなかったからだ。
爆弾発言以降、苛々しているのはコッチで、
振り回されているのもコッチで、
地団太を踏んで喚き散らしたい気分なのもコッチなのに。
勝手にしろバカ。と思うくせに萎れた姿を見ると見切れない。
すっかり保護精神が染み付いている。