ツラの皮



あの夜ほどテンパッて、真剣だったことはないのに、


『母親の結婚話だった』というオチ付で。




こンの、バカ女っっっ!!!!

どれだけ俺を振り回せば気が済むんだ!





話を真に受けてうろたえた自分がどれほど無様で滑稽に思えたことか。




腹が立ったが、開き直った。



こんな機会でもなければ自分の気持ちに気付くのにもっと多くの時間を要しただろうから。




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