ツラの皮
ともかく自覚したのはいいが、一向に変わらない関係をどうにかすべきだろう。
アイツも俺の容姿はそこそこ気に入っているようだ。
だが、他の女みたいに俺の容姿をべた褒めしてみても、それは本当にただ『良い』という評価であって、『だから付き合いたい』という理由には繋がらない。
そういう意味では内面重視派というのもあながち嘘ではない、か。
容姿に見蕩れるのと同じくらい……否、それ以上の割合で『根性悪』『ナルシスト』『バカ』と俺の内面を尽く論いやがる。
一緒にいるのがスゴイ楽だとか、俺にとっちゃ殺し文句みたいなことを平気でのたまうくせに、アイツにとっちゃそのカテゴリーはペットか何かと同系列で。
男という認識は廃棄されている、確実に。
俺とヤッタのにかよ!
…………マジでヘコムわ。
雑貨屋のものとはいえ女に指輪を贈ったことはないし、
夜の駆け引きがメインの恋愛で、あえて昼間に健全なデートなんてしようとも思わなかった。
・・・まぁ、競馬場を健全と言い切っていいもんかは疑問だが・・・。