ツラの皮
スリー
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帰宅時間は電話を掛けた時にそれとなく聞き出したので、捕まえられると思うが……。
それでも一、二時間は待つつもりで会社の出入り口が見える沿道の植え込みの縁に腰をかけ暫く待っていた。
仕事帰りのOLがチラチラと鬱陶しい視線を投げかけてくるが、俺の露骨な不機嫌オーラにスゴスゴと行き過ぎていく。
女を待つなんてつい最近の俺には考えられない行動だ。
しかも駆け引きどころか、俺を眼中にも入れない女なんざ。
チクショウ。
これで捕まらなかったらどうすっかな。
タチバナ経由でなんとかするか・・・?
…………気は進まないが。
苛々しながら待つこと三十分。
エントランスに待ち望んだ顔が現れた。
嬉しいような怖いような歯がゆい想いが胸を擽る。
しかし多目には前者で、口元が無意識に緩む。